チャレンジの目的の一つとして『夜間走行』がある。アポロンディーヌ号は世界初のハイブリッド・ソーラーカーであり、太陽がでていないときでも走ることができる。それを証明(立証)するには、夜間走行が最適である。当初は、「30分程度走ればよい」と考えていた小原監督だが、実際は3時間も走行した。その日は、夕方に水素充填、さらにソーラーパネルから2次電池に充電し準備を整え、日が陰る前に再スタートした。徐々に空が朱色になるにつれ、期待がこみ上げてくる。「そろそろ太陽が沈む。ここからがアポロンディーヌ号が本領を発揮する場面だ」。ライトを点灯し夜間走行に備える。アポロンディーヌ号は順調。いよいよである。完全に太陽が沈み空が暗くなっても、アポロンディーヌ号は快調な走りをみせていた。夜間走行時の最高速度は80km。しかし、夜間はカンガルーが飛び出してくることもあるため(車へのカンガルーの衝突は一般車両でも大変危険)、回避できる速度(50kmぐらい)に減速走行した。予定時間を上回る走行をして、キャンプ地に無事到着。到着後、小原監督を始め、全員で夜間走行の成功を喜んだ。短い距離(時間)ではあるがこの夜間走行が、ハイブリッド・ソーラーカーの成功をより確実なものにした。
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